そうだ、ウィーン行こう

  と言っても、札幌のいわゆる名曲喫茶です。ちょっとしたきっかけがあってこの店のことを思い出しました。学生時代には彼の地でもまだ2、3軒はあった形態の喫茶店ですが、今ではほとんど見かけないはず。しかし、ここでは「ウィーン」が健闘中です。場所は中央区南2条西7丁目というか、狸小路7丁目といった方が分かりやすい。ただし、以前ここを通りかかった時はこう言ってはなんですが場末も場末といった印象を持ったところ。その時は店に全然気づかなかった。すみませんm(_ _)m。外観は写真のとおり。やはり古い。

 

 前回行ったのが、当時のアンサンブル仲間に連れられていった時。もう何十年も前です。憶えているのが、ケースの中にあったマッキントッシュのアンプのあの青いインジケーター。店は地下にあり、階段を下りることになる。下りるとすぐに音楽が聞こえてくる。なんとブルックナー。偶然なんでしょうが、いかにもといった感じです。ドアを開けて入ると、まず目に飛び込んでくるのが大きなスピーカー。オーディオは詳しくないのでどこのメーカーかわかりませんが、高さはほぼ2m近く。ウーファーが縦に4つ、同じくスコーカーが12個!それとその間にやはりマッキントッシュ(もちろん、あのアップルのMacとは違う。スペルも違うはず。)のプリとパワーの巨大なアンプ2台が鎮座している。見た目、最新鋭。あの青い光は相変わらず。アンプの後ろにバーンスタインの写真が掛けてある。先客は5人ほど。その中では私はまだ若手かなw。椅子はさすがに年季が入っているけど、店全体としてはそれほど古いといった感じはない。もっとも照明は当然のことながら暗いんだけど。総じて皆さんじっと聞いているが、一人最前列にいるご老人は遠慮なくスポーツ新聞をめくっていた。あまり神妙にしていなくても良さそうだ。後から来て、私の前に座った人はおもむろにタバコを吸い出して驚いた。見てみれば私のところのテーブルにも灰皿が。こういうところも本当にオールド・ファッションだ。

 

 かかっていたのはブルックナーの第4、次がラフマニノフの第1(!)ピアノ協奏曲。その次、ブラームスの第3が流れている時に失礼した。最初はこれだけの装置なのに大した音ではないなと思っていたが、聞いているうちにわかった。これだけの超高級になると、音は全くの自然体になって聞こえる。高音や低音がこれでもかとばかりに耳に飛び込んでくるのではなくて、あたかもホールで生を聞いているように響く。唸りましたよ。ブラームスがかかっている時になると、すっかり和んでいる自分がいました。いつも聞きつけている演奏と違ってずいぶんとゆったりとして重厚な演奏でしたが、こうして腰掛けてスピーカーに対峙して聞いているとそれはそれでブラームスを堪能しました。先ほどラフマニノフと書きましたが、聞いている時は誰の曲だか分からず店を出る時にご主人にたずねたのですが、丁寧に教えていただきました。これほど感じよく教えてもらえることはあまりない。店を後にした時は、また来ようと思いました。受動喫煙をものともせずに。

 

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