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映画「別離」を見て

 連休2日目は映画を。シアター・キノで上映中の「別離」を見てきた。

 古典ジョークにこういうのがある。大学で小説の書き方の講義があり、宗教とミステリ、そしてSEXの要素を取り入れると面白いものになるというのだ。それを聞いた学生がさっそく一作をものにした。「ああ、神様!お腹の子の父親はいったい誰なんでしょう。」

 実はこの映画、第3の要素がなくても十分に面白い小説ならぬ映画が作れるということを証明したと思う。(ちなみにこの映画はイラン映画で第3の要素はご法度とか。)始まってから最後まで筋の展開にはらはらしながら見てしまった。といって単なるサスペンスではないし、タイトルから連想してしまう単に破れた恋の話でもない。人間ドラマとして秀逸である一方、本当のところはどうだったのだというそれこそ宙ぶらりんの状態で観衆は話の展開に釘付けになるという映画。これを見て、これほど筋の展開がすばらしい映画って、今まで見た中ではどんなのがあったか思い出そうとしたけど、今のところ思いつかない。とにかくすばらしい設定と筋立てなんだ。そして主人公、その妻、もう一組の夫婦の関わりとその時その時のエピソードは見る者一人一人が我が身に照らして考えるべき問題を提示する。

 すみません、ネタバレにならないように書くと何だかわからない文章になってしまう。公式サイトによるとこの映画は全国で上映中、もしくはもう間もなく上映開始になるようです。キノでの上映は珍しく早かったんだ。これをお読みの方、騙されたと思ってぜひ見てください。もし複数で見ることができたら、終映後はこの映画のことで話が尽きなくなるんじゃないかな。食事かティータイムの設定が必須かと。


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