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スティーブ・ジョブズ氏とバッハ

 今日、アイザックソン氏による「スティーブ・ジョブズ」を読み終える。

 この本には興味深いエピソードがいっぱいで、付せんを貼っていったらもう何枚あるかわからなくなるほどになった。その中でワタシ的に極め付けはバッハに関することなのでここで紹介させてください。

 その1 若い頃LSDをやったことがあり、最初の体験が次のように語られている。
 「僕はバッハが好きで良く聞いていたんだけど、突然、麦畑がバッハを奏で始めたんだ。あんな素晴らしい経験は初めてだった。麦畑のバッハで、指揮者になった気分だった。」LSDをやったことは後も公言してはばからず、やったことがない奴はつまらないぐらいに思ったというのだからすごい。

 その2 好きな音楽はとたずれられて答えたのが、「ボブ・ディラン」。次に「ビートルズ」。クラシックでは、「バッハ」なんだそうだ。ディランではなく、モーツァルトだったら違う話になってしまったと思うけどw。そのバッハだが、ブランデンブルグ協奏曲ゴールドベルク変奏曲が好きだったとか。後者はグールドの演奏を聞いていて、若い時の演奏を好んでいたという。若々しく颯爽としているとして。でも、ガンに冒されてからは、晩年の演奏も良いものだと思うようなったと語っていた。

 そして、ヨーヨー・マが好きで、実際、自宅に招いて演奏をしてもらったこともあるそうだ。結婚式の時も演奏してほしいと頼んだのだが、このときはスケジュールが合わず実現しなかった。いやあ、すごいと思う。プルーストが自宅でカペー四重奏団にベートーヴェンの後期カルテットを弾いてもらっていたという話を読んで羨ましいなあと思ったものだが、これも同じくらいの思いにさせられる話だ。しかも、バッハを弾いてもらったんだそうだ。彼は感激のあまり(もちろん弾いてもらったことではなく、奏された音楽にだと思うけど)涙ぐんだ。そして自分の葬儀の際にはぜひ演奏してほしいと頼んだとあった。実現したのだろうか。

 この本、一部本当か、と気になる部分が無きにしもあらずだけど、単なる人物論、人物紹介に留まらない奥行きのある本だと思った。デジタル三国志、デジタル産業小史、デジタル戦略論等々も絡めながらスティーブ・ジョブズ氏が語られる。面白かった。

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