きみはいい子

呉美保監督の映画「きみはいい子」をレンタルで見た。前作の「そこのみにて光輝く」がすばらしい映画だったので次作を期待していたが、今度は原作を読んでからと、今になってみると妙な思い込みでいたものだから上映中にみる機会を逸してしまった。わざわざ北…

大森潤子ヴァイオリン リサイタルを聞いて

札響ヴァイオリン首席の大森潤子さんのリサイタルがKitara小ホールで開かれた。2006年に札響主席になってからほぼ10年が経つけど、その功績はこのたびのCDの解説の中で前札響正指揮者で東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団常任指揮者の高関さんが札響の…

ホリガー讃

2015年9月の札響定期はホリガーさんを迎えての公演。ホリガーさんについてはツイッターのTL上でオーボエだけでなく指揮者・作曲者としても素晴らしいし、ピアノの腕前も凄いと紹介されいて以前から興味津々だった。演奏はまずオーボエ独奏でフンメルから始まっ…

オーケストラの伝統?

最近の札響とエリシュカさんの演奏を聞いて思ったこと。6月27日の札響名曲シリーズは1週間前の定期に引き続きエリシュカさんがタクトを振り、「新世界」ほかを演奏した。ドヴォルザークの交響曲は既に定期で演奏していたが、この曲は3年ぶりの再演になった。201…

"Zephyr"を聞いて

今年になってからオペラのCDを聞いている。最初は「昔聞いたよな」くらいの懐かしさで始まったのが、古い録音なら安いこともあって大人買いしているうちにだんだんエスカレートしてしまい、最近はなにかしらの演目を毎日全曲聞くという日課になってしまった。…

「失われた時を求めて」

読み終えました、ちょうど1年かけて。いくら全13巻の大作でもちょっと時間かけ過ぎかもしれない。思えば20年以上も昔、新聞連載小説にこの小説が登場したのが縁の始まり。主人公が定年になったら読もうと買揃えていたという件があって、それから2、3年後だった…

尾高さんと札響のマーラー第9

今月の札響定期は尾高さんの指揮でマーラーの第9交響曲。この曲を実演で聞くのは多分学生時代以来かな。大昔の話になってしまうw。以前、札響事務局のアンケートで演奏希望の曲を問われてことがあったけど、その時にはどうしても札響でマーラーの第9を聞きた…

石川祐支&大平由美子デュオ・リサイタルを聞いて

昨日9月22日にKitara小ホールで札響首席チェリストの石川さんとピアニスト大平由美子さんのリサイタルを聞く。2年前にも共演していたのだが、実はプログラムがすごい。2年前には前半の最後にベートーヴェンの3番を、後半の最後にブラームスの1番を配す選曲で、…

小説と脚本 「そこのみにて光輝く」から

先日、シアターキノで「そこのみにて光輝く」の先行上映があり、終映後に呉美保監督と菅原和博プロデューサーのお二人によるトークが行われた。この後、引き続きキノ映画講座が開催され、ここでもお二人のお話を伺う機会があり、ここではその中で話されたこと…

尾高さんのこと

先日、ツイッターで尾高さんが来シーズンで音楽監督を離れると知って驚いた。元々契約がそうなっていたとのことで、そういうことならそうなのかと納得しなきゃならない。先日のNewKitaraホールSQの時もそうだったが、どうもそういうところが疎くて他の人が知…

札響の弦にしてやられる

6月8日の札響名曲シリーズを聞く。前回がほんの少し前の5月25日だったけど、風邪で寝込んでいて無念の欠席。実はこの日になっても耳が不調で残念だった。 で、今回の最初はブリテンの「シンプル・シンフォニー」。楽団員の登場は弦だけであっさり終わる。その名…

その美しさの陰に

5月の札響定期を聞く。テーリヘンのティンパニ協奏曲という珍しい曲とブルックナーの第7交響曲というプログラム。実は今回の定期は夜と昼の両方を聞いている。これは初めての経験。 協奏曲のソリストは札響の武藤さん。いつも果敢にオケを引っ張ている方だが…

岩井監督を知る

先日、シアター・キノでの岩井俊二ウィークの初日に参加してきた。「ラブ・レター」や「花とアリス」で高名な監督の作品を見るのは実はこれが初めて。この日は「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」「四月物語」の3作品が上映された。長丁場になるので…

そうだ、ウィーン行こう

と言っても、札幌のいわゆる名曲喫茶です。ちょっとしたきっかけがあってこの店のことを思い出しました。学生時代には彼の地でもまだ2、3軒はあった形態の喫茶店ですが、今ではほとんど見かけないはず。しかし、ここでは「ウィーン」が健闘中です。場所は中…

再びエリシュカさん

なんだかんだ落ち着かない日々を過ごしているうちに季節ははや冬。Kitaraまでの中島公園は写真のとおり初冬を迎えている。今日は札響の名曲コンサートで、エリシュカさんの指揮で古典派御三家のプログラム。ベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲で…

Kitaraの「コシ・ファン・トゥッテ」

7月1日に「コシ・ファン・トゥッテ」の公演があったので聞いてきた。 Kitaraでやるのでてっきり演奏会形式なんだろうと思った。合唱があるけど登場人物は6人だし、こういう形でやるもの無理がないのだろうと思っていたが、いってみると奥が高くなってちょっ…

BRAVI!札響

以前、何かで読んだことがあるのだが、とにかく指揮者は絶対ということ。演奏のすべてに権限をもち、したがって演奏の良し悪しもすべて指揮者の責任になる。聴衆の拍手もこれは指揮者に対するもので、それ以外のものではない。オケへの拍手はあくまで指揮者…

フレデリック・バック展を見て

先日、札幌芸術の森美術館でフレデリック・バック展を見てきた。多様なジャンルにまたがる膨大な作品について書いていったらキリがないので、ここは音楽関連で紹介する。 紹介されている範囲では、作家と音楽の結びつきは強いものはないように思える。しかし…

映画「別離」を見て

連休2日目は映画を。シアター・キノで上映中の「別離」を見てきた。 古典ジョークにこういうのがある。大学で小説の書き方の講義があり、宗教とミステリ、そしてSEXの要素を取り入れると面白いものになるというのだ。それを聞いた学生がさっそく一作をものに…

4月28日の札響定期

夏のジャケットを着込んだのだが、それでも暑く感じる陽気の中、中島公園を通ってKitaraへ。ついこの間の10日に雪どけのぬかるみの中をカメラータさっぽろを聞きに行ったのに、半月ほどで季節が激変している。 4月の定期はもうすっかり恒例になったエリシュ…

2日連続のメシアン

先の週末、2月の11日は札響の定期、翌12日は同じKitara大ホールでガリエールさんによるオルガンコンサートを聞く。二日続けて同じところに行くというのも酔狂なことだが、偶然ということで。もっとも雪まつりの開催にも重なっているんだが。 札響はメシアン…

グールドの映画

今年最初の映画は「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」というグールドを扱ったもの。暮に彼の女性関係を取上げた本が出ていて、これはちょっとな、とグールド本ならほとんど手を出す私もさすがに遠慮したものだった。映画もこのようなものだったら…

スティーブ・ジョブズ氏とバッハ

今日、アイザックソン氏による「スティーブ・ジョブズ」を読み終える。 この本には興味深いエピソードがいっぱいで、付せんを貼っていったらもう何枚あるかわからなくなるほどになった。その中でワタシ的に極め付けはバッハに関することなのでここで紹介させ…

今年の聞き始め

明けましておめでとうございます。 毎年お正月の午前中はCDをかけるのが習慣になっています。それもセルの演奏で。 今年は何にしようかと迷いつつ、次の曲をかけました。 ・ モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 カサドゥシュ(Pf) ・ ロッシーニ:「アルジェ…

グールドのレガート

バザーナによるグールドの伝記によると、彼のコンサートは聴衆を陶然とさせたという。アメリカでも、ヨーロッパでも、ロシアでも聴衆は熱狂した。これを読んでいて不思議に思ったものだ。録音で聞く限り、そういう反応が理解できなかったのだ。まるで太く、…

カルメンは被害者?

私のクラシック入門は中学生の時の「アルルの女/カルメン」と「白鳥の湖」。ビゼーの方は音楽の授業で「アルルの女」組曲を聞かされ、部活で「カルメン」の前奏曲を練習した。こんな経緯で両方の組曲が入ったLPを買ってもらい、よく聞いた。演奏していた…

グールドの謎〜「フーガの技法」に関して

グールドが好きな人なら誰でも知っているが、彼は本当に対位法、それもフーガに執着した。対位法的に書かれていない曲、バスラインがしっかりしていない曲をいっさい認めなかった。だから、モーツァルトもショパンも攻撃の対象だった。もちろん、当然のこと…

ハイドンを忘れてもらっては困ります

セルの本領を発揮した演奏はと考えると、やはり古典派の作曲家のものなのだろう。衝撃的な出会いだったモーツァルトやその後真価を知るベートーヴェン。そして、今回のテーマであるハイドン。ハイドンを聞くようになったのはけっこう後になってから。没後に…

運命のジャケ買い

初めてグールドを知ったのは「インヴェンションとシンフォニア」のLPでした(写真はCDのもの)。クラシックを聞き始めたばかりだったとき、母が練習する際の参考にするために、私に買ってきてくれと頼んだのがきっかけになりました。とはいえ、どのレコ…

ジョージ・セルへのオマージュ

最初のブログはセルの思い出から。 セルの演奏を最初に聞いたアルバムが写真のもの(CDですが)。1970年、大阪万博のイベントの一環でセル指揮するクリーブランド管弦楽団が招聘され、大阪を皮切りに全国でツアーを行いました。これがNHKで放映され、た…